家づくりをする場合、奥様主導で設計打ち合わせを進める事が多く、キッチンは特にこだわって設計に組み込まれていくことになるかと思われます。
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空間にキッチンを馴染ませる
高さ(水平ライン)の調整
キッチンを考える上では、法的制限、機能性、使い勝手、収納量等の諸条件をまず整理した上で、そのご家庭にどのようなキッチンが相応しいかを検討していきます。
最近は、リビングやダイニングと一体的にキッチンが配置されることが多いので、キッチンの中が見えにくくする意味でアイランド型等のカウンター式が多いかと思われます。
また、カウンター式でも、壁付き型であっても、キッチンの作業台の高さのラインがその空間に影響を与えてきます。
一般的には、床からキッチン上端まで80センチ程度が多いですが、近くに設置されるダイニングテーブルの高さは70センチ程度が多く、段差ができます。また、キッチンには、吊り戸棚や換気フード等の高さの異なる水平ラインがいくつも存在し、その空間を雑然とさせてしまいます。
そうならない様、高さの異なるラインは出来る限り近づける工夫を行い、雑然としている空間を落ち着かせていきます。
仕上げの連続性
どうしてもキッチンだけは、既製品キッチンのパネルが使われる事が多い為、ダイニング・リビングからの仕上げと切り替わる事が多くなります。
この例では、ダイニングから連続する壁面仕上げは淡いグレー系で、キッチンパネルもそれに合わせたグレー系でまとめています。また、キッチン自体も少しトーンを変えたグレー系で合わせ、高さの異なるダイニングテーブルのラインに合わせ、キッチン前面に小カウンターをダイニングテーブルから連続して設けることで、水平ラインが統一され、空間全体に馴染んだキッチンとなっています。
収納の見せ方
キッチンを雑然とさせてしまう要素として大きいのは「収納」です。収納が多く必要となるキッチンですが、うまく整理・ディスプレイできる方は、シンプルなオープン棚が最も空間が広く見え、他のインテリアの邪魔にもならず美しいです。
オープン棚は、収納力も限られ整理上な方限定となってしまう為、吊り戸棚等の扉付きの収納棚の選択肢も考える必要が出てきます。
その場合、先ほどの高さ(水平方向)のデザインを意識し、デザインするのですが収納量が多くなる場合は、いっそのこと全面壁面収納として隠してしまうとかなりスッキリし、収納量も確保できます。
まとめ
キッチンは、様々なメーカーから数え切れない程の商品が出ています。その中でどれを選べばいいか非常に迷われることだと思います。また、システムキッチンは、非常に高価なものが多いです。それだけ見れば非常にかっこいいですが、建築に馴染まなければ意味がありません。それだけの金額があれば、もっとシンプルに建築に馴染むオリジナルの製作キッチンをつくることも可能です。キッチン周辺のアイテムであるダイニングテーブルや収納等と合わせてデザインし、更にリビングダイニングの空間と連続性を持たせ、建築全体に馴染むキッチンになればワンランク上の上質な空間が得られることになると考えます。
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one archi
現在の主な作業
一級建築士試験に一発合格し、組織設計事務所にて主に学校、公民館、道の駅、発電所等の幅広い用途の公共建築物の設計を行なっている。
自己紹介
芸術学部建築学科を卒業後、ハウスメーカーメーカーにて住宅の設計販売に携わる。一級建築士事務所開設を夢に、ハウスメーカーを退職し資格学校へ通うが、そこで現職場の先輩にスカウトされ組織設計事務所に所属する事になる。一級建築士の他に、インテリアプランナー、建築積算士、casbee評価員の有資格者である。2020年、実務経験と建築知識を活かして建築系のWEBライターとして始動。
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