建物を省エネ化する際、最も効果的な一つの手段として窓周りの省エネ化があります。窓周りは、建物の屋根や外壁、基礎などの外皮と言われる外と内を区切る部位の中で最も断熱性が弱いところで、この弱点となる部位を克服することで、効率的に省エネ化を図ることができます。ただし、窓周りには採光や換気、排煙、眺望、防犯など様々な機能を備えており、省エネ化を優先することで、他の必要機能が疎かになるケースもあります。
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採光や換気、防犯面も考慮した窓周りの省エネ化
夏場の暑さ対策として、窓をあけて効率よく換気し室内温度を下げたいところですが、窓を開け放したままだと防犯面が気になるところです。
逆に、防犯面を重視すると、窓をなくしたり、面格子を付けたりすると、採光や眺望などの他の機能性が疎かになります。採光や換気、防犯面も両立した上で窓周りを省エネ化する方法がいくつかあります。
日本的デザイン(格子)の省エネ機能
日本の伝統家屋では、古くから防犯性と室内の住環境の両立を図る工夫として木製の縦格子を道路に向かってデザインされているものが多くあります。光や風は通過させ、人の侵入だけを防ぐ縦格子を窓外部に取り付けることで、良好な住環境と防犯性を両立させることができています。
日本の古くからある建物は、外部からのヒトの侵入を防止する防犯性の役割と、光と風を住居に導く良好な住環境の両立を実現を実現する日本の伝統技術の一つです。今も残る京町屋の縦格子が連なる様は、日本的な美しい風景のひとつとして認識されています。
この格子デザインは、現在では更なる技術進歩を遂げ、材料は耐久性を考慮し木製だけでなく鉄製やアルミ製、テラコッタや人工木など選択肢が広がっています。また、格子の角度や形状をコントロールすることで、光や風の入り方を調整するだけでなく、日射遮蔽機能によりさらなる省エネ化を図ることが可能となります。
最新技術による窓周りの省エネ化
縦格子のデザインは、日本の古くからある省エネ技法の一つですが、見た目の外観を変えずに、窓ガラス自体に省エネ化を付加する技術があります。防犯遮熱フィルムをガラスに貼る技術や、防犯合わせガラスと断熱性が付加された技術があります。見た目は普通のガラスに見えますが、透明の防犯フィルムが貼られることで、容易に突き破ることができません。
また、フィルムに遮熱性機能が付加された商品もありますので、外部からの直射日射を軽減する機能もあり、見た目の意匠性や窓からの眺望性を変えることなく、防犯性と省エネ性の両立を実現することが可能となります。また、フィルムは後から施工することも容易であるため、リフォームで省エネ化を図る場合であっても、それ程大がかりな工事をすることなく、容易に省エネ改修をすることが可能です。
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one archi
現在の主な作業
一級建築士試験に一発合格し、組織設計事務所にて主に学校、公民館、道の駅、発電所等の幅広い用途の公共建築物の設計を行なっている。
自己紹介
芸術学部建築学科を卒業後、ハウスメーカーメーカーにて住宅の設計販売に携わる。一級建築士事務所開設を夢に、ハウスメーカーを退職し資格学校へ通うが、そこで現職場の先輩にスカウトされ組織設計事務所に所属する事になる。一級建築士の他に、インテリアプランナー、建築積算士、casbee評価員の有資格者である。2020年、実務経験と建築知識を活かして建築系のWEBライターとして始動。
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