家の床材を決める時に、無垢のフローリングを選択肢に入れる方も多いのではないでしょうか。洗面所やトイレなど一部を除き、床は家の中の多くの面積を占めるので、触り心地の良いものにしたいですよね。
ここでは、無垢のフローリングの種類と特徴、選び方のポイントについてご紹介します。
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無垢のフローリング6種類のご紹介
まずは無垢フローリングの主な種類についてご紹介します。
種類 | 針葉樹/広葉樹 | 特徴 |
オーク | 広葉樹 |
・密度が高く、耐久性がある。 |
スギ | 針葉樹 |
・蓄熱性や断熱性が高く、夏はサラッとした触り心地で冬はほんのり暖かい。 |
ヒノキ | 針葉樹 |
・浴槽に使われるほど水分に強く、耐朽性がある。 |
ウォルナット | 広葉樹 |
・世界三大銘木のひとつで希少性が高い。 |
クリ | 広葉樹 |
・他の無垢床材よりも木目がはっきりしている。 |
パイン | 針葉樹 |
・素朴な見た目で節が多い。 |
無垢のフローリングの特徴とメリットデメリット
フローリングには単層フローリングと複層フローリングがあり、無垢のフローリングは単層フローリングのことをいいます。単層フローリングである無垢のフローリングは、加工をしていない天然木から切り出して作られたフローリング材のことです。対して複層フローリングは、合板などに突板やビニール系のシートを貼ったフローリングのことをいい、デザインバリエーションが広く、安価なのが特徴です。
無垢のフローリングには以下のようなメリットがあります。
- 木本来の温もりが感じられる
- 経年変化を楽しめる
- 調湿作用がある
- 冬でも床が冷えにくい
無垢材の大きな特徴は、なんといっても木本来の優しくて暖かい温もりが直に感じられる点ではないでしょうか。また、子供の頃から木と触れ合う機会を持たせる「木育」の一環として、家に無垢のフローリングを取り入れる方もいます。
ただ、無垢材にはデメリットも存在します。
- 湿気による変形がソリなどの変形が起こる
- 柔らかいため傷がつきやすく、汚れもつきやすい
- 高価である
無垢材は木そのものを切り出して作っているため、湿気で膨らんだり乾燥してフローリング同士の隙間が生まれたりすることがあります。そのため、夏場は湿気を含んで隙間がぴっちりと埋まっていても、冬になると隙間が生まれてそこにほこりが溜まったりすることがあります。傷もつきやすいですが、傷がついた部分は濡れタオルを当てて木に湿気を含ませたり、傷の部分を削ったりすることで修復することは可能です。また、木材の一枚板で切り出される床材のため、先に述べた複層フローリングよりも高価な床材が多いという点もデメリットのひとつと言えるでしょう。
以上のようにデメリットも存在しますが、新築を建てるときやリフォームのときに無垢のフローリングを採用される方も多くいます。それはやはり木の温もりを直に感じたいという方が多いからではないでしょうか。
無垢のフローリングの選び方
無垢のフローリングには、木ごとにさまざまな種類があります。ここでは無垢のフローリングの選び方についてご紹介します。
広葉樹か針葉樹で選ぶ
木には「広葉樹」と「針葉樹」の2種類があります。サクラ、ナラ、ケヤキなどが広葉樹で、特徴としてはしっかりと細胞組織が詰まっているので硬くて丈夫である点です。そのため、無垢のフローリングの中では傷がつきにくいですが、細胞組織がしっかり詰まっている分、表面が硬いため触ると冷たく感じる方もいます。対して針葉樹はスギ、マツ、ヒノキなどがその種類にあたります。柔らかいので触れたときに暖かさを感じられます。ただ、柔らかいため傷がつきやすいというデメリットもあります。
色味で選ぶ
無垢のフローリングに限らず、フローリングの選び方として色味で選ぶ方法があります。樹種によってさまざまな色があります。例えば、明るめの床にしたいのであればカバザクラやメープル、濃いめの色ならウォールナット、赤みのある色ならブラックチェリーなどです。フローリングの色でお部屋の雰囲気が変わってくるので、どんなテイストのお部屋にしたいなど決まっている方は、その雰囲気に合った床材を選ぶようにしましょう。また、無垢のフローリングは経年変化で色味が変わるため、その変化も毎年楽しむことができます。無垢のフローリングの中でもブラックチェリーのように経年変化が早く濃く変化するもあれば、ヨーロピアンオークのようにゆっくり変化する樹種もあります。ウォールナットやローズウッドなどはあまり大きく色味の変化がありません。
床材のデザインで選ぶ
フローリング材は、幅や長さ、厚み(12mm・15mm)、貼り方などさまざまなバリエーションがあります。
フローリング材の幅 | 特徴 |
広い | 高級感がある。 無垢材の存在感をしっかり出せる。 価格は高い。 |
狭い | デザイン性が高い。 比較的安価。 膨張収縮は小さい。 |
フローリング材の幅 | 特徴 |
ワンピースタイプ | つなぎ目のない一枚もの。一定の長さで揃っている「定尺」、長さが一定ではない「乱尺」、3〜4種類の決まった長さが混ざった「ネフテッド」などの種類がある。 |
ユニタイプ | さまざまな長さの板を繋ぎ合わせたもの。木材を有効活用している。 |
フローリング材の幅 | 特徴 |
乱尺張り | 同じ向きで乱尺のものを貼っていく方法。最も一般的な張り方。 |
りゃんこ張り | 同じ寸法のものを一定間隔でずらして張る方法。整然とした印象になる。 |
すだれ張り | 同じ長さのものを揃えて張る方法。天井によく使用される。 |
韓国張り | 縦に並んだフローリングに一定間隔で横向きの板を張る方法。朝鮮半島の古民家でよく使われる。 |
市松張り | 90度ずつ方向を変えながら張り上げる方法。クラシックな雰囲気と高級感がある。 |
ヘリンボーン張り | 無垢の小片を山形に貼っていく方法。ニシンの骨(Herringbone)に似ていることから名付けられている。クラシカルな仕上がりになる。 |
フレンチヘリンボーン張り | 斜めにカットした無垢材を木口に合わせて直角や120度に張り上げる方法。ヘリンボーンよりもすっきりした印象がある。 |
ツイル張り | フレンチヘリンボーンのフローリングを規則的に直線的に張る方法。 |
樹種ミックス張り | さまざまな樹種を組み合わせて張る方法。上品さと派手さが演出される。 |
長尺乱巾張り | 2730mmで幅が異なる4種類のフローリングを組み合わせて張る方法。高級感が出る。 |
乱尺乱巾張り | さまざまな巾のフローリング材を組み合わせて張る方法。 |
以上のように、フローリングには多くの種類があるので、自分がどんなフローリングを張りたいかをイメージして選ぶようにしましょう。
無垢フローリングが美しい部屋の実例を紹介
ここでは、実際に無垢のフローリングを使った美しい部屋の実例をご紹介します。代表的な無垢のフローリング4種類を厳選しましたので、ご覧ください。
オーク
オークは密度が高くて硬いため、耐久性・耐水性に優れており傷がつきにくいためフローリングとして人気が高いです。また、木目が美しく上品な色合いで非常に高級感が感じられます。オークの薄茶色はどんな家具でも合わせやすく、飽きのこない落ち着いた色味をしているので、長く楽しめる無垢材でもあります。こちらの写真のように、壁紙をグレーにして落ち着いた和モダン風のお部屋にすることもできますが、濃い色の家具でも馴染んで合わせやすいのがオークの無垢材の特徴です。
スギ
軽くて柔らかく加工しやすいスギも人気の無垢のフローリングのひとつです。断熱効果も高く、冬は裸足でも歩けるほどの暖かさと柔らかさがあります。写真のように和風の家に合わせるとより温かみを感じられます。柔らかいため、傷がつきやすいデメリットがありますが、その傷も味わいや家族の思い出として大事にしていけるのではないでしょうか。経年変化で徐々に色に深みがましていくのもスギの無垢フローリングの楽しみのひとつです。
ヒノキ
ヒノキの無垢フローリングは、スギと見た目は似ていますがスギよりも強度があるため傷が付きにくいのが特徴です。また、抗菌・防虫効果があるので長く快適に使える木材でもあります。また、ヒノキには独特の香りがあり、人をリラックスさせる効果があります。床に寝転がって香りを感じながら昼寝をすると一層くつろげそうですね。上の写真は杉の床と腰壁を同じ色味でそろえているので統一感がありますね。
ウォルナット
ウォールナットは高級感がある濃い茶色のフローリングです。硬くて耐久性があり、グランドピアノやハープなどの高級楽器を作る際にも使われます。ウォールナットは濃い茶色ですが、木の中心の心材は褐色から紫褐色で、木の周辺部分の辺材は黄褐色と、木の場所によって濃淡の差が大きいのが特徴です。画像のように、濃い部分と薄い部分がはっきりと別れているので、この濃淡が高級感を演出しています。
少しの手間で長く使える!無垢フローリングのお手入れ方法
無垢のフローリングはお手入れをするのが大変では、とよくいわれていますが、実際のところどうでしょうか。無垢のフローリングの日常のお手入れ方法と特別なお手入れ方法についてご紹介します。
日常のお手入れには乾拭き掃除を
日常のお手入れは、他のフローリングと同じように掃除機での掃除で問題ありません。また、乾拭きをして汚れを取るようにしましょう。ダイニングテーブルの下など、食べこぼしがあるなどして汚れがひどい場合は水で薄めた中性洗剤を使い、雑巾で拭き掃除をします。水が多いと木が水を吸収してしまうので、雑巾はしっかりと硬く絞って拭くようにしましょう。また、飲み物などをこぼした場合も、木が水分を吸収する前にすぐに拭き取ってくださいね。
年に1度のお手入れにはワックスを
年に一度、もしくは半年に1度、無垢のフローリングはワックス掛けをするようにしましょう。ワックス掛けをする際の手順は以下のようになります。
- フローリングのゴミを取り除く
- 床にベタつきがあれば拭き取る
- 乾いた床からワックスを塗る
ワックス掛けの際は、カーペットやソファなどを避けなければならないのでかなり大掛かりな掃除になります。年末の大掃除など、ワックスをかける日を決めて掃除をすると良いでしょう。通販でも購入可能な無垢材に使えるおすすめワックスには以下の商品があります。
RJ(アールジェイ) ゴールドワックス GO-05
無垢材、複層フローリングはもちろんのこと、カラーフロアやクッションフロア、コルクタイルにまで使用できるワックスです。樹種コーティング膜により、床の傷・ひび割れを防止してくれます。また、塗布すると深みのある光沢が出て、滑り止めの高価もあります。シックハウスの原因になる化学物質も含んでいないため安心して使えるのも魅力です。
容量 | 5L |
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使用の目安 | 1Lで約100平方メートル |
成分 | アクリル系樹脂エマルション、高融点ワックスエマルション、レベリング剤、高級アルコール系非イオン活性剤、添加剤(ホルムアルデヒドは含まず)、消泡剤、水 |
AURO(アウロ) Nr.129 ツーインワンオイルワックスクラシック
無垢材専用のフローリングワックスです。このワックスは塗布すると有効成分が木材内部にまで浸透して潤いを与えてくれます。傷・ささくれを予防し、手垢を付きにくくします。
容量 | 0.75L |
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使用の目安 | 1Lで約20平方メートル(1回塗り) |
成分 | オレンジ油、亜麻仁油、ポリオキシエチレンロジンエステル型界面活性剤、カルナバ蝋、ヒマワリ油、ヒマシ油、乾燥材(コバルトフリー)、蜜蝋、クレイ(顔料)、レシチン、エタノール |
小川耕太郎 百合子社 未晒し蜜ロウワックス
クリームタイプのフローリングワックスです。手作りにこだわったワックスで、1番絞りのエゴマ油と無漂白の国産蜜蝋で作られています。また、溶剤や乾燥剤も使われていないためとても塗りやすいのが特徴です。
容量 | 100ml |
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使用の目安 | 1Lで約40畳分(70平方メートル)(1回塗り) |
成分 | 一番絞りエゴマ油(種子:中国産/国内製造)、国産蜜ロウ(無漂白) |
まとめ
無垢のフローリングにはさまざまな種類があり、魅力もたくさん詰まっています。無垢のフローリングを実際に体感してみたいという方は、ショールームや実際に完成した家を見学したり、サンプルを取り寄せて触って実感してみたりしてみてはいかがでしょうか。自分に合った無垢のフローリングを見つけて、ぜひマイホームに取り入れてみてくださいね。