エクステリアの照明は、室内の照明とは異なり照度の基準がないことが特徴で、エクステリア空間の使用用途によって、設計照度を設定します。室内であれば、勉強や仕事などの集中するシーンでは750ルクス程度、リビングでの団らんやダイニングでの食事のシーンでは、100ルクス〜200ルクス程度確保するよう照度設定を行います。
エクステリアの照明として設定される使用シーンは、大きくは以下の3つです。
- 通路機能としてのシーン
- 表札などの文字を認識するシーン
- 外観の演出性
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通路機能としてのシーン
夜間の通路機能として計画されるエクステリア照明は、以下の3点に配慮する必要があります。
- 機能性
- 安全性
- 眩しさ
機能性の観点では、照明がつくる光の筋道により視認性を高め、目的地への方向性を分かりやすくすることです。安全性の観点では、通路部分で照度に落差があり急に暗くなるような場所を設けず、出来る限り均整のとれた通路の照度設定、若しくはグラデーション的な光をつくることです。
眩しさの観点では、照明の向きに注意が必要です。例えば、通路部分の人が歩いて行く方向から逆行となる位置に照明を配置してしまうと、眩しさを感じてしまいます。植栽を照らそうとして計画したものが、通路部分の人の目線に入ってしまう場合もあり、注意が必要です。また、植栽を下からアッパーライトで照らす場合、隣地の建物の窓がないかも注意する必要があります。
表札などの文字を認識するシーン
玄関前などで、表札を確認するようなシーンでは、通路の照明に比べ照度を上げて文字が認識できる程度にする必要があります。通路機能であれば、5ルクス程度の照度で計画されますが、文字を認識しようとすると30ルクス程度必要となってきます。ただし、玄関まわり全てに30ルクス必要かといえば、そうではなく表札が認識できる範囲だけを絞って照度を上げることで必要な機能は満たされます。
また、駐車場の場面でも鍵をさしたり、車から何かものを取り出したりするシーンも考えられますので、通路よりも照度をあげて計画することが一般的です。
外観の演出性
エクステリア照明のもっとも面白いところは、昼間の外観の雰囲気をガラっと変えるところです。特に、植栽がある場合は植栽を照らすことで、建物や外構に植栽の影が反映され、フラットな外観にも動きのある表情に変えることができます。また、最近の照明はLEDにより色温度を調光できる商品もあります。季節によって色温度を変えることで、より雰囲気のあるエクステリアをつくることができます。
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one archi
現在の主な作業
一級建築士試験に一発合格し、組織設計事務所にて主に学校、公民館、道の駅、発電所等の幅広い用途の公共建築物の設計を行なっている。
自己紹介
芸術学部建築学科を卒業後、ハウスメーカーメーカーにて住宅の設計販売に携わる。一級建築士事務所開設を夢に、ハウスメーカーを退職し資格学校へ通うが、そこで現職場の先輩にスカウトされ組織設計事務所に所属する事になる。一級建築士の他に、インテリアプランナー、建築積算士、casbee評価員の有資格者である。2020年、実務経験と建築知識を活かして建築系のWEBライターとして始動。
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