今回は建物の外装や内装に使われる「空を反射する建築材料」についてお話しします。具体的には、ガラスと金属を上手に組み合わせることで、建物の外観が空や周囲の景色を映し出し、より豊かな表情を生み出す方法をご紹介します。
※このサイトは広告が含まれております。リンク先の他社サイトにてお買い求めの商品、サービス等について一切の責任を負いません。
ガラスを使った建築
ガラスは、現代建築において個性を演出するための重要な素材です。透明であることが大きな特徴ですが、反射率の高いガラスを選ぶと、空や風景をくっきりと映し出すことができます。例えば、ミラーガラスや反射ガラス、またはコーティングガラスなどは、視線を程よく遮りながらも、外から見ると空を美しく反射してくれます。
ガラスを使った建築のメリット
- 透明感や軽快感が得られ、建物をモダンな印象に仕上げられる
- 空や周囲の自然を映し込み、周辺環境とのつながりを感じられる
- 断熱や遮熱機能等の付加機能を持つガラスもあるため、省エネ効果が期待できる
ガラスを使った建築のデメリット
- 反射ガラスの強い反射は、日中は眩しさの原因になる場合がある
- 高額なガラスを選んだ場合、初期費用やメンテナンス費用が高くなりやすい
- 遮音性や断熱性を高めるために複層ガラスなどにすると、重量が増加することもある
金属の活用方法
次に金属です。金属板やメタルパネルは、ガラスとはまた違った反射特性を持っています。代表的なものとしては、ステンレススチールやアルミニウムパネルなどがあります。表面を鏡面仕上げにすると、まるで鏡のように空の色や雲の動きが映り込みます。
金属を使った建築のメリット
- 優れた耐久性と防水性があり、長期使用で劣化が少ない
- 表面の加工によって、鏡面やつや消しなど、自由に表情を変えられる
- 光の反射によるデザイン効果が非常に高く、景観のアクセントになる
金属を使った建築のデメリット
- 鏡面仕上げの場合、傷がつけば目立ちやすく、メンテナンスが必要
- 金属パネルの断熱性はガラスより劣る場合があるため、断熱材との組み合わせが重要
- 強い光の反射が周囲に眩しさを与えるおそれがある
空を反射する建材のメリットとデメリット
空を映し込む建材は、建物の景観を軽やかにし、周囲の環境と調和させる効果があります。一方で、強い反射がまぶしさや熱の蓄積を引き起こすことも。視覚的な美しさと機能性の両面から考察します。
空を反射する建材のメリット
【メリット1】建物が周囲の景色になじみやすい
空や雲を映すことで、建物が重たく見えにくくなり、自然や街並みに溶け込みやすくなります。
【メリット2】視覚的な広がりを演出できる
建物表面が鏡のように空を映すと、視覚的に奥行きが生まれ、開放感や爽快感を与えます。
【メリット3】独特のデザイン性が高い
反射を利用したデザインは、時刻や季節によって映し出される景色が変化し、常に新鮮な印象を与えます。
空を反射する建材のデメリット
【デメリット1】光害や眩しさの懸念
強い反射光が周囲の目を刺激したり、周辺環境に負の影響をもたらす可能性があります。
【デメリット2】コスト負担
高品質なガラスや金属パネルを使用するため、初期費用が高くなる場合があります。
【デメリット3】メンテナンス負荷
鏡面仕上げや反射ガラスは汚れや傷が目立ちやすく、定期的な清掃や補修が必要です。
まとめ
ガラスや金属の反射によって生まれる建築デザインは、空や景色を建物に取り込み、人々に新鮮な印象や開放感をもたらします。一方で、反射強度が強いと周囲に眩しさを与えるなどのデメリットもあります。空を映す建物を計画する場合は、眩しさやメンテナンス、コスト面も含めて、総合的に検討することが大切です。
建築士つぶやくの記事一覧
※タップで各記事ページが開きます。
one archi
現在の主な作業
一級建築士試験に一発合格し、組織設計事務所にて主に学校、公民館、道の駅、発電所等の幅広い用途の公共建築物の設計を行なっている。
自己紹介
芸術学部建築学科を卒業後、ハウスメーカーメーカーにて住宅の設計販売に携わる。一級建築士事務所開設を夢に、ハウスメーカーを退職し資格学校へ通うが、そこで現職場の先輩にスカウトされ組織設計事務所に所属する事になる。一級建築士の他に、インテリアプランナー、建築積算士、casbee評価員の有資格者である。2020年、実務経験と建築知識を活かして建築系のWEBライターとして始動。
人気記事建築学生に読んでほしいおすすめ建築・インテリア雑誌10選
人気記事センスを磨けるインテリア本おすすめ人気ランキング10選
人気記事建築学生に人気のおすすめ本ランキング10選
人気記事建築学科志望の高校生におすすめする読んでほしい本ランキング10選
間取図大好きな貴方への一冊!
職工所スタッフ厳選のよく売れている間取図の本を集めてみました。下の記事では、専門性や参考度などをランキング化(★5つ)して紹介。「 間取り図の本おすすめ人気ランキング15選 」も参考に‼
↓タップしてAmazonで確認する↓