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方位角、仰角、偏波角の意味を図解解説

方位

高校数学の最難関といえば「サイン・コサイン・タンジェント」ではないでしょうか。

もう、聞いただけで”じんましん”が出てくるという方も多いかもしれませんが、この「三角関数」、カーナビやスマホのGPS、国土地理院やGoogleの地図作成になくてはならないもの。もっと言うとカレンダーであったり時間であったりというのも「三角関数」がなくては成り立たないものなのですが、とりあえず細かいお話はここまでにしておきます。同じように「方位角」「仰角」「偏波角」にも「三角関数」が使用されています。

この記事では、そんな角度についての意味と役割を解説していきます。

 

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方位角とは

方位角

 

平面方向(y軸)に対して直立している方向(z軸)の水平方向(x軸)のことを「方位角(ほういかく)」と呼びます。直角三角形でいうと直角を挟む2辺のこと。tanθ(タンジェント)にあたる部分。

さて、なんのことやらさっぱりですよね。

簡単に言ってしまうと、真北を「0」とした東西南北の角度のことを言います。測量などで主に使用されているもので、A地点とB地点の位置関係を0から359.9までの角度で表したもの。例えば、A地点を0として、B地点からA地点を見た時に方位角が45度であったり240度であったり、はたまた327.3度の位置に移動しましたというような意味に使います。

飛行機の航路にも「方位角」は利用されていますが、「磁北」を基準としているため飛行機は地図の通りに飛ぶことはできません。「方位角」の「0」はあくまでも「真北(TRUE)」になるので、それに対する「磁北(Magnetic)」を求めていくことになります。この角度の違いを「偏角」と呼びます。

また「吉方位」や「凶方位」など”奇門遁甲”や”九星気学”で利用している「方位線」は、真北を「0」として22.5度ずつ振り分けたものが45度方位、15度ずつ振り分けたものを30度60度方位になります。

 

 

仰角とは

仰角

 

平面方向(y軸)に対して直立している方向(z軸)への角度(∠x)のことを「仰角(ぎょうかく)」と呼びます。直角三角形でいうところの底辺に対する斜辺の角度のこと。cosθ(コサイン)にあたる部分。

簡単に言うと、書いて字のごとく「仰ぎ見る角度」のこと。目線の高さを「0」として直角である90度までのことを指します。逆に0から-90度までを「俯瞰する角度」と書いて「俯角(ふかく)」と呼びます。この二つを合わせたものを「仰俯角(ぎょうふかく)」と言い、90度~0~-90度で表します。

現在の地図は、すべてこの「仰俯角」と「方位角」によって作成されているのです。と言っても、だからなに?と返されてしまいそうですが、ここで「仰角」を用いたちょっとしたクイズを出題してみたいと思います。少しだけ考えてみてください。

クイズ!奴隷解放への道

あなたはエジプトの奴隷です。もう何日も食べ物にありつけず、ただただ働かされてばかり。そんなある日、王様が長さ1メートルの棒切れをポイッと投げてよこして、こう言いました。「その棒を使ってピラミッドの高さを測ってみなさい。きっちり測れれば、明日から自由にしてよいぞ」

ピラミッド

さて、奴隷生活から解放されるために、あなたはどのように「1メートルの棒」を使いますか?ヒントは角度です。もちろん、棒を定規の代わりにして、えっちらえっちらとピラミッドに当てていくような体力はあなたにはありません。石段に棒を合わせてみても大きいものや小さいものがあるので比較することもできない。さて、困りました。

すると、ターレスという頭の良い仲間が耳打ちをしてくれます。

「簡単じゃないか。影を測ればいいんだよ」。

このようにして、紀元前6世紀にターレスという数学者が、実際に棒の影とピラミッドの影の対比を使って、高さをはじき出しました(決して、奴隷だったわけではありません)。

この時の「仰角」になるのが”太陽の位置”。その角度さえわかれば、ピラミッドの高さも、月までの距離も、北極星から自分が今いる場所を割り出すこともできるのです。恐るべし、三角形。

“風水”的な話をすると、この「仰角」、30度以上の高い建物が隣家にある場合、「逼凶(ひっきょう)」と言われ、家相的によくないとされています。要は極端に高い建物が隣にあると頭を抑えつけられた状態になるので家庭運などに影響すると。”風水”でなくても、そのような建物があると周辺の景観を損ねることにもなりますし、日当たりなども阻害してしまうので、あまり良い環境とは言えませんよね。

 

偏波角とは

偏波角

 

ある円の1点からの水平方向(y軸)に対して直角方向(x軸)と円の中心からの直角方向(z軸)の角度のことを「偏波角(へんぱかく)」と言います。直角三角形でいうところの正弦、すなわちsinθ(サイン)のこと。

思いっきり簡単に説明してしまうと「衛星に対する角度」のこと

宇宙関連などの衛星通信に関わる仕事をしている人、もしくは衛星放送を受信するためにパラボラアンテナを設置する人以外には、まったくもって生活に関わることのない角度と言えます。

なので、かいつまんで解説をすると、衛星からの電波を拾うためにアンテナにあるコンバーターの角度を衛星に合わせましょうと。その際に基準となるのは真南の方角で、衛星が東にある場合はマイナスに、衛星が西に存在する場合はプラスに調整をしなければいけないということになります。

 

すべての位置は「三角形」で測ることができる

人類は太古の昔より、太陽や星、山や水平線の位置からあらゆる法則を導いてきました。

その根底にあるのが「三角形」。3つの点を直線で結べば、大抵のものは測量できてしまうという、この不思議。その結果がピラミッドの建造であったり、世界各地のサークルストーン、並びに日本の古墳のほとんどが子午線に沿っていたりしていることにつながります。

そんな視点で見てみると「三角形」って面白いですよね。

 

 

 

 

 

 

 

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