エクステリアは、本来建物に限らず乗り物なども含めた外観デザインを示していますが、建築業界では、建物周囲の外部空間全般をエクステリアと称しています。室内デザインを示すインテリアの対義語としても、外部デザインをエクステリアと称することが自然としっくりきます。外部空間を彩るエクステリアは、街の風景に影響を及ぼすだけでなく、日本の風景を造っていくものです。
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エクステリアの歴史
エクステリアという言葉が使われ出したのはまだ最近のことですが、日本では6世紀頃から日本庭園という形で、外部空間がデザインされる考え方があったとされています。日本庭園は、自然の姿を模しているのが特徴で、自然の素材である石や木、水などを使用し、山や池、川などを表現し豊かな外部空間を表現する芸術性があります。
西洋の歴史ある庭園も同様に、自然の緑を沢山使い、自然の素材である石やレンガ、木を使いながらゲートやポーチ、ベンチやパーゴラなどの構造物とあわせてデザインされています。20世紀頃になると、西洋のガーデニングのデザインが一般的な住宅にも増えてきました。日本庭園も西洋のガーデニングも、どちらも自然の素材を使い、自然への調和を考慮したデザインであることは共通しており、現代のエクステリアにおいても、自然への調和が重要とされています。
機能的で自然への配慮も美しい日本のエクステリア
現代のエクステリアは、日本庭園やガーデニングにあるような芸術性やデザイン性だけでなく、防犯性などの機能性も求められ、さらにコスト的な制限も考慮した上で考えなければなりません。機能性の観点では、特に最近強盗や泥棒からの侵入を防ぐための防犯性への関心が高まりつつあります。建物の防犯性には、外部からの視線が通り易くするために死角となるような背の高い塀などを設けないようにすることなどの工夫が必要といわれていますが、一方プライバシーの観点では、外部からの視線はカットしたいところです。
防犯性とプライバシーへの配慮で相反する考え方がありますが、日本の住居は昔から防犯性と内部のプライバシーに配慮したエクステリアの考え方があります。
昔の町家でよく見られる格子のデザインです。外部からの侵入者は格子で防御し、自然の光・風は取り入れます。また、格子のデザインにより、外部からの視線も緩やかに遮ることでプライバシーにも配慮された内部空間が実現します。さらに格子は自然の木で造られることで、修景へも配慮されています。自然の素材を使い、機能的で環境へ配慮したエクステリアを実現している日本の風景は、世界的にも高い評価を受けています。
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one archi
現在の主な作業
一級建築士試験に一発合格し、組織設計事務所にて主に学校、公民館、道の駅、発電所等の幅広い用途の公共建築物の設計を行なっている。
自己紹介
芸術学部建築学科を卒業後、ハウスメーカーメーカーにて住宅の設計販売に携わる。一級建築士事務所開設を夢に、ハウスメーカーを退職し資格学校へ通うが、そこで現職場の先輩にスカウトされ組織設計事務所に所属する事になる。一級建築士の他に、インテリアプランナー、建築積算士、casbee評価員の有資格者である。2020年、実務経験と建築知識を活かして建築系のWEBライターとして始動。
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