ファサードは建物の外観を示し、外壁のマテリアルや屋根の形状などによってデザインされます。特に窓の形状や窓の有無によって大きく影響を受けることになります。窓のないファサードは、容易にデザイン要素を最小限にすることができ見栄えよく見えるため、最近増えつつあるように感じます。見た目の印象は、窓がないため見慣れない感じによる特別感と、壁面が余計なノイズが少ないため、より綺麗に見えます。ただし、窓がないことのデメリットもあるため、闇雲に外観のデザイン性だけを追い求めるのには注意が必要です。
窓のないファサードについて、メリットとデメリットを以下に整理します。
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窓のないファサードのメリット
① プライバシーが確保できる
道路に対して窓が多いと外部からの目線が気になりますが、窓がないとプライバシーが確保できるメリットがあります。
② 断熱性が高まる
窓と外壁面での断熱性は、圧倒的に外壁面の方が有利となります。窓が少なければ少ないほど断熱性は高まり、エアコンの省エネ性の高い建物となります。
③ イニシャルコストを抑えることができる
窓と外壁面では、窓の方がコスト高となります。そのため、窓の個所数を少なくすればするほど、イニシャルコストを抑えることにつながります。
窓のないファサードのデメリット
① 自然光を取り入れる窓が限られる
窓が少ないと十分な日光を取り入れることが難しく、室内は暗く閉鎖時になります。中庭を設けることや、道路側に目線カット壁面と設け、そこから自然光を取り込むことになりますが、自然光を設けるために余分なコストがかかることにつながります。
② 閉鎖的となりやすい
周辺環境に自然がある場合や、敷地内の植栽に対して、美しい景色や庭の緑を眺めることでリラックスでき、自然との繋がりを感じることができますが、窓を取る方向が限られると閉鎖的となりやすく、恵まれた自然環境を窓から取り込むことが難しくなります。
③ 自然換気
風が抜ける窓が建物の対角にあると風通しが良くなり、新鮮な空気を積極的に取り込むことが可能となります。特に、道路側の窓については隣接建物等の影響を受けにくいため、風通しに対しての窓としては有効な窓となります。道路側に窓を取らないデザインとする場合は、上記のような有効な換気窓が確保することが難しい状況があります。
④ 火災時の消防隊活動
万が一建物が火災になった場合、消防隊が消火活動するためには、道路に面した窓は非常に有効な開口部となります。また、火災時の室内の煙に逃がす開口部としても道路に面した窓は非常に有効です。窓がない場合、消防隊の消火活動や煙を排出する開口を別で設ける必要があります。
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one archi
現在の主な作業
一級建築士試験に一発合格し、組織設計事務所にて主に学校、公民館、道の駅、発電所等の幅広い用途の公共建築物の設計を行なっている。
自己紹介
芸術学部建築学科を卒業後、ハウスメーカーメーカーにて住宅の設計販売に携わる。一級建築士事務所開設を夢に、ハウスメーカーを退職し資格学校へ通うが、そこで現職場の先輩にスカウトされ組織設計事務所に所属する事になる。一級建築士の他に、インテリアプランナー、建築積算士、casbee評価員の有資格者である。2020年、実務経験と建築知識を活かして建築系のWEBライターとして始動。
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