2025年の万博に向けて、建築家の藤本壮介さん設計により大きな木造リングの建設が進んでいます。一方で、万博に反対する声も沢山あり、建設自体をストップさせようとする動きもあります。その反対派の意見のなかで、なぜ「木造なのか」が多く見られます。
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万博で木造が批判を受ける理由
木造が特筆して批判を受ける理由は以下です。
- 国産材だけで出来ていない
- 伝統工法と言って釘やボルトが使われている
- 建設費が高い
計画当初は、主に国産材を利用することで日本の林業復興に役立つとされていましたが、設計で見込まれる部材サイズが、国産材では対応することが困難であることがわかり、海外産の木材を使用することになっています。また、伝統的な貫工法を採用していることを掲げていましたが、実際は構造力学的に貫工法だけでは成立しなかったため、一部釘やボルトなどの金物が使用されることになりました。
なによりも目立っているのが建設費です。当初の計画予算をはるかに上回る建設費になり、半年間だけの建物にそれだけの税金を投入する必要があるのかとの意見があります。ここまでが、木造を批判する側の意見ですが、木を建築に使う有効性も十分にあることも事実です。
建築に木を使う有効性
建築に木を使う有効性は以下の通りです。
- CO2削減に寄与する
- 持続可能な技術
- 何よりも木のもつ見た目のインパクトは大きい
木材は、自然界にいる時には二酸化炭素(CO2)を吸収し続けています。また、伐採して建材として使われる時には、木材中にCO2が固定され空気中に放出されないことが分かっています。さらに、木材を使うことで森林の循環が活性化され、自然と共生される持続可能な技術です。今回の万博で使用される大屋根リングは建築面積が約6万m2、高さが12m、内径が約615m、リングの幅は約30m、1周が約2kmとスケールが圧倒的です。このスケールを木造ですることは、日本技術を世界に発信する素晴らしいメッセージになると思います。
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one archi
現在の主な作業
一級建築士試験に一発合格し、組織設計事務所にて主に学校、公民館、道の駅、発電所等の幅広い用途の公共建築物の設計を行なっている。
自己紹介
芸術学部建築学科を卒業後、ハウスメーカーメーカーにて住宅の設計販売に携わる。一級建築士事務所開設を夢に、ハウスメーカーを退職し資格学校へ通うが、そこで現職場の先輩にスカウトされ組織設計事務所に所属する事になる。一級建築士の他に、インテリアプランナー、建築積算士、casbee評価員の有資格者である。2020年、実務経験と建築知識を活かして建築系のWEBライターとして始動。
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