このお風呂、非日常空間へ引き込まれてしまい、何もかも忘れうっとりしてしまう空間ですよね。まさに心も身体も癒される空間です。
お風呂は、限られたスペースの中で「快適性」「防水処理」「清掃性」「防カビ性」「防滑性」等様々な課題をクリアした上で設計する必要があります。また、デザイン面でも、それら課題を考慮した壁面仕上げ、天井仕上げ、床仕上げ、風呂桶、開口部、蛇口等の衛生器具を小さなスペースで美しく配列する必要があります。
お風呂を美しく、快適で、心まで癒してくれるデザイン手法について、実例を交えて解説していきたいと思います。
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心と身体を癒してくれる小宇宙のお風呂を実現するポイント
そんな魅力的なお風呂を実現するポイントは、「材質へのこだわり」と「スペース以上の広がりを感じさせる壁面、天井面のデザイン」の大きく2つあります。
ポイント1:材質(仕上げ(意匠性と機能性と清掃面)へのこだわり
現在の住宅では、耐水性や清掃性、断熱性や保温性、施工性や経済性を兼ね備えたユニットバスが主流となっています。
1日の疲れを心身共に癒してくれる空間にするには、やはり材質にこだわってつくる必要があります。材質ついては、素材感のある石・土(タイルやレンガ)・木(水に強いもの)などの自然素材を使用し、耐水性や清掃性等を加味した上で、適材適所に使用していくことで空間に味わい深さと奥行きが出てきます。また、それらの自然素材は経年劣化も楽しめる材ですので、定期に清掃、メンテナンスをすることで長期間楽しむことができます。
壁と天井に使用する材は、床にまでの耐水性を考慮する必要はありませんので、檜等の水に強い木材の選択肢もあります。
ポイント2:スペース以上の広がりを感じさせる壁面、天井面のデザイン
住宅におけるお風呂は、スペースが限られており一般的には2畳程のスペースしかありませんので、壁で囲ってしまうとかなりの圧迫感があります。
その上で、壁面にはシャワー水栓やアメニティ掛けがあり、天井面には換気扇や照明がつきますので、狭い中で住設備関係が乱立し、落ち着くはずのない空間が出来上がります。
そんな限られたスペースでも、壁面や天井面のデザインを工夫すれば心身共に癒される空間を実現することは可能です。
まずは壁面については、できる限り広がりを感じられるよう隣室の洗面スペースとの扉や間仕切りは透明感のある素材(ガラス等)とします。
隣室や中庭との開口部については、出来る限り大きく、壁面沿いに計画し、壁面仕上げを揃え、隣室または中庭との連続性を与えることで更に広がりを感じることができます。
材質と建築構成にこだわった心身共に癒されるお風呂実例解説
ここからは、小宇宙の感じられるお風呂実例について解説していきたいと思いおます。
打放し、木材の素材感のあるもので構成
非常に狭い空間の中で、床面は黒い石、壁面は杉板を転写した打放しと木材との組み合わせで、和の雰囲気も感じられ、中庭との壁面デザインを合わせることで、連続性を出し、スペース以上の広がりも感じられます。
ガラスを使って空間を広く魅せる実例
洗面との間仕切りをガラスとし、壁面仕上げを連続させることで、狭い空間を広く見せる工夫をしています。
中庭天井面を解放し、小宇宙を実現する
シンプルに白一色での計画ですが、中庭の天井面だけを解放し空の色と植栽の緑が映える空間です。自然を空間の彩にしていますので、時間によって空間の雰囲気が変わるところも小宇宙を感じさせてくれます。
上品な和の雰囲気をプラスする
壁面のデザインは、石貼りに間接照明が照らされモダンな雰囲気ですが、お風呂の縁と蛇口に檜を採用することで、上品な和の雰囲気がプラスされています。
まとめ
お風呂のデザインについて、ユニットバスの商品にも様々なデザインがあり、ユニットバスの中で選択することが一般的ではありますが、材質や空間構成にもこだわって造れば、毎日のお風呂が心身共に癒してくれる小宇宙となり得ることも可能です。材質や空間構成にこだわれば、ユニットバスでの計画に比べ、費用もメンテナンスも不利となりますが、それに変えがたい豊かな空間を毎日味わえることになります。是非、お風呂にも建築的デザイン要素を組み入れて計画してみることをお勧めします。
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one archi
現在の主な作業
一級建築士試験に一発合格し、組織設計事務所にて主に学校、公民館、道の駅、発電所等の幅広い用途の公共建築物の設計を行なっている。
自己紹介
芸術学部建築学科を卒業後、ハウスメーカーメーカーにて住宅の設計販売に携わる。一級建築士事務所開設を夢に、ハウスメーカーを退職し資格学校へ通うが、そこで現職場の先輩にスカウトされ組織設計事務所に所属する事になる。一級建築士の他に、インテリアプランナー、建築積算士、casbee評価員の有資格者である。2020年、実務経験と建築知識を活かして建築系のWEBライターとして始動。
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