次の空間へ行くための空間「通路」は、一般的な視点では建築空間のなかであまり重要視されない空間の1つかもしれません。ただし、美術館や商業施設など建物用途によっては通路部分が1つの演出する重要な意味をもつこともあります。
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通路の役割
通路はヒトやモノが次の空間を移動するための空間を示し、次の空間へ出入りのできるドアなどで仕切られた空間だけでなく、大空間のなかで移動部分に使われる範囲を区切られていないけども通路部分と示される場合もあります。通路は単に移動のためだけのものもありますが、建物用途によっては通路部分が展示される空間であったり、ヒトが一時滞留できる空間であったりと様々な用途を包含する通路もあります。
例えば、美術館や博物館などは通路と展示が一体となっている場合もありますが、通路は次の展示スペースの気持ちの切り替え場所として、一旦心の中をリセットする場所としてあえて暗くすることや、仕上げ素材を変えることや、吸音率の高い素材で音を操作することで、次の展示空間への演出を図ります。また、学校用途では単に移動する通路にアルコーブを設け、子どもたちが休憩中の移動時間に談笑できるきっかけを与えることにより、積極的なコミュニケーション力を付けるための工夫が施されたりすることがあります。
通路の法的制限
建築基準法では、通路は非常に重要視される空間でもあります。建築基準法は火災などの有事の際に、施設内の人命をまもることを第一に考えられているため、スムーズに避難できる設えにするような規定が定められています。建物規模や用途にもよりますが、建物の内装制限が適用される場合は、居室は難燃性の内装に規定されても、通路部分は更に一段上の準不燃材の要求が法的に定められています。それだけ、通路は有事の際の避難空間として法的に厳しくみられる空間と考えられています。
また、有事の際には多人数が一気に避難することも想定されますので、廊下の幅寸法についても法的に厳しく定められています。
通路のデザイン
通路は移動だけの空間の場合は、細長い空間となることが特徴です。この細長い空間は、次の空間に向かう直進的な方向性が強く感じられますので、それをデザインとして表現することが多くあります。
また、大空間の一部で通路部分となる場合も、他の部分とデザインを切り替えることで、大空間に変化を与え、それぞれに演出性を高めるいいきっかけにもなります。
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one archi
現在の主な作業
一級建築士試験に一発合格し、組織設計事務所にて主に学校、公民館、道の駅、発電所等の幅広い用途の公共建築物の設計を行なっている。
自己紹介
芸術学部建築学科を卒業後、ハウスメーカーメーカーにて住宅の設計販売に携わる。一級建築士事務所開設を夢に、ハウスメーカーを退職し資格学校へ通うが、そこで現職場の先輩にスカウトされ組織設計事務所に所属する事になる。一級建築士の他に、インテリアプランナー、建築積算士、casbee評価員の有資格者である。2020年、実務経験と建築知識を活かして建築系のWEBライターとして始動。
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