建築デザインでよく使用される「シークエンス」。専門的な用語で、一般的にはあまり聞きなれない言葉かもしれません。シークエンスは敷地入口から建物までの道のりなど、移動する空間に生まれる一連の体験や流れを示しています。そんなシークエンスを使った建築の魅力について掘り下げて解説します。
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シークエンスとは
人が建物や都市空間を移動する際、どのように景色や空間の変化を感じるかが重要な要素となります。例えば、エントランスからロビー、廊下を抜けて部屋へ至る過程や、光の移り変わり、視線の抜け、空間の広がりなどがシークエンスに関わります。建築設計では、心地よく魅力的な空間体験を生み出すために、シークエンスを意図的に設計することが求められます。
シークエンスの定義
シークエンスとは、空間を移動する際に生まれる一連の体験や流れを意味します。たとえば、玄関からリビング、さらに奥の庭へと移動する際に、視線や動線がどのように変化していくか、そのプロセス全体をデザインする考え方です。建築におけるシークエンスでは、意図的に演出された順序や見せ方によって、訪れる人の感情や印象をコントロールすることを可能にします。
建築におけるシークエンスの重要性
建築では、利便性やデザイン性だけでなく、空間体験そのものが注目されます。シークエンスを意識した設計は、単なる部屋の機能分けではなく、どのようにスペース同士がつながり、次の空間へ自然と誘われるかを考慮します。これにより、建物が人々に与える印象や楽しみ方をより豊かにし、忘れられない体験へと昇華させることができます。
シークエンスがもたらす効果
上質なシークエンスを組み込むと、人が移動するたびに新たな発見や驚きが生まれます。また、光や陰影、音、素材の違いなどを段階的に取り入れることで、空間そのものの魅力を余すことなく引き出すことができるのも大きな特徴です。結果として、訪れた人に強い印象を与え、長く記憶に残る建築体験をつくり出します。
シークエンスの魅力
建築におけるシークエンスの魅力は、空間の体験を豊かにし、移動そのものを意味のあるものにする点にあります。単なる通路や部屋の並びではなく、光の変化や視線の抜け、天井の高さの変化、音の響き、素材の質感などが組み合わさることで、感覚的な楽しさや驚きを生み出します。例えば、狭いエントランスから広がる吹き抜けの空間へと抜けることで、開放感を強調する演出が可能です。シークエンスを工夫することで、建築は単なる機能の場ではなく、物語や感動を生み出す空間となります。
ドラマを生み出す空間演出
シークエンスがもたらす最大の魅力は、空間に「ドラマ」をもたらす点です。入口から奥へと進むうちに、光の取り入れ方や景色の見え方が少しずつ変化し、まるでストーリーを追体験するような感覚が得られます。これは、建築だけでなく、舞台芸術や映画の演出のように、徐々に盛り上がりを作り出す効果につながります。
空間の奥行きを感じさせる
シークエンスが上手にデザインされた空間は、建物の内と外、近景と遠景の関係性を巧みに利用して、奥行きや広がりを感じさせます。たとえば、通路から一部だけ見える庭を歩み進めることで、実際の距離以上に空間が深く感じられることがあります。このような演出は、単に部屋を並べるのではなく、視線や動線を丁寧に設計するからこそ実現できます。
利用者の感情を揺さぶる
シークエンスは、人の感情に訴えかける強力な手段です。次の空間はどのように広がっているのか、どのような光景が見えるのか、そんな期待感が訪れた人の興味を刺激します。そして、その期待が高まったところへ意図した景色や仕掛けを見せることで、「驚き」や「感動」の感情を引き出せます。こうした演出が、建物をただ鑑賞するだけではない、積極的な体験へと変化させるのです。
シークエンス事例
建築におけるシークエンスの魅力を具体的に感じられるよう、いくつかの事例をご紹介します。
住宅におけるシークエンス
住宅設計でよく見られるのが、玄関からリビング、そして庭へつながるシークエンスのデザインです。玄関付近を少し暗めにして、リビングに入ると一気に明るい光が差し込むように演出することで、開放感と安心感を強調できます。また、廊下の壁にスリット窓を設け、先の空間がチラリと見えるようにすることで、自然と次の空間へ誘導する効果も生み出せます。
商業施設におけるシークエンス
商業施設では、人々を商品へと誘導するためにシークエンスが巧みに設計されています。大型ショッピングモールなどでは、エントランスの豪華な吹き抜けに目を奪われ、そこから回廊型の通路を歩いていくと、進む先々で店舗のレイアウトや雰囲気が変化します。これにより、訪問者が飽きることなく楽しくショッピングできる空間体験が提供されるのです。
公共施設におけるシークエンス
美術館や図書館などの公共施設でも、シークエンスは大きな役割を果たします。展示室を巡る導線が、作品や資料と出会うワクワク感を高めるように設計されているのです。たとえば、美術館では絵画や彫刻の展示室をあえて一望できない形にしたり、投稿者が少しずつ視界に入るように配置したりすることで、訪れる人の期待感を途切れさせません。
まとめ
建築におけるシークエンスは、空間の一体感や魅力を最大限に引き出す重要な手法です。空間を移動する中で生じる変化の連続を計画的に演出することで、人々にドラマティックな体験を与えることができます。
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one archi
現在の主な作業
一級建築士試験に一発合格し、組織設計事務所にて主に学校、公民館、道の駅、発電所等の幅広い用途の公共建築物の設計を行なっている。
自己紹介
芸術学部建築学科を卒業後、ハウスメーカーメーカーにて住宅の設計販売に携わる。一級建築士事務所開設を夢に、ハウスメーカーを退職し資格学校へ通うが、そこで現職場の先輩にスカウトされ組織設計事務所に所属する事になる。一級建築士の他に、インテリアプランナー、建築積算士、casbee評価員の有資格者である。2020年、実務経験と建築知識を活かして建築系のWEBライターとして始動。
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