最近は色んな照明器具があり、器具自体が凄くオシャレです!
でも、照明器具が見えないこんな空間も素敵ですよね!
照明デザインによって、空間の雰囲気は大きく変わります。建築を設計する立場からは、出来る限り器具自体は見せずに光だけを操り自然な明かりでそこに住まう人が和む空間を創りたいと考えています。これは建築設計側からの勝手な押し付けかもしれませんが、人はどんな空間が落ち着くかを考えた時に、太陽の光や月明かり等の馴染みのある光に対して落ち着きや和みを感じるのではないかと考えます。太陽の光には直接浴びると強いイメージがあるかもしれませんが、木漏れ日や木陰の優しい光も太陽光の陰影が作り出す光の空間です。
対して月明かりは、最近は街が明るすぎて感じることが難しくなっていますが、月明かりが建物に入るさまはとても神秘的ですよね。こうした自然の明かりも昔は当たり前の風景だったと思います。
どちらも美しく気持ちが和む空間ですよね。建物用途ごとにも照明計画の考え方は変わってくるかと思いますが、建築設計者は、出来る限りそこに住まう人が落ち着ける自然の美しさに近づけたい、天井面や壁面にある人工的なものは排除し、シンプルで美しい明かりのみで空間を照らしたいと考えています。
そこで重要となってくるのが、照明を取り付ける天井面のデザインです。
設計段階で、それらの設備器具との調整を行い天井面を美しくする方法はないか日々検討を行なっています。設備器具だけでは、解決出来ませんので、建築側で天井納まりを工夫し設備器具が見えないように計画し、天井面には何も出ない美しい面を創ります。
冒頭で紹介したオシャレな照明器具に出会い、高いお金をかけて空間を演出することも選択肢の一つだと思いますが、出来る限りリーズナブルに美しく建築と一体となった照明計画を設計段階から考えておくことが大切だと思います。
ただし、現実は設計段階から照明器具を選定し、設計に組み入れることは殆ど行われないのではないかと感じています。というのも住宅の施主の殆どが初めて家を建てる経験をすることになりますので、設計段階で照明器具を選ぶことを知らない方がほとんどだからでしょう。
出来れば建築設計者が照明計画や家具配置のことまで考慮した上で、建築の設計を進めるべきですが、一般的な住宅ではなかなかそれは実現出来ていないようです。
建築設計は検討する範囲が多岐に渡り、照明や家具のデザインまでタイトな設計工期内で検討し設計に反映するのは難しい現実がありますが、それを一歩乗り越えるとワンランク上の上質な空間が得られると感じております。
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one archi
現在の主な作業
一級建築士試験に一発合格し、組織設計事務所にて主に学校、公民館、道の駅、発電所等の幅広い用途の公共建築物の設計を行なっている。
自己紹介
芸術学部建築学科を卒業後、ハウスメーカーメーカーにて住宅の設計販売に携わる。一級建築士事務所開設を夢に、ハウスメーカーを退職し資格学校へ通うが、そこで現職場の先輩にスカウトされ組織設計事務所に所属する事になる。一級建築士の他に、インテリアプランナー、建築積算士、casbee評価員の有資格者である。2020年、実務経験と建築知識を活かして建築系のWEBライターとして始動。
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