空間を水平移動するための階段は、人の荷重やもたれかかる水平力などに対して安全に保たれるよう構造計算されます。無骨ながっちりした階段もかわいいですが、多くの設計者は、軽やかな透明感を求めます。
軽やかで透明感のある階段を達成するポイントは以下の3つです。
- 段板を薄く魅せる
- 手摺の透明度をあげる
- 手摺に塊り感をつけ段板の存在を軽くする
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段板を薄くみせる
段板を薄くみせることで、浮遊感が生まれ階段が軽やかになります。特に、のぼりはじめ1段目が浮いて見えるようなディテールとすることで階段全体が浮いているように見えます。構造力学上、人の荷重に耐えうる部材の厚みが必要となるため裏側の下地材に鉄骨を入れるなどの補強が必要となります。構造上の部材は出来る限り表面から見せないようにする、若しくは鉄板だけなどシンプルにすることで薄くみせることができます。
手摺の透明度をあげる
手摺を細く、薄くすることで、存在感が薄まり透明度があがります。建築基準法上、階段には階段の両側に手摺若しくは壁面が必要となります。そのため、なしとすることはできませんが、存在を出来る限り薄くうるディテールにより透明度があがり軽やかなイメージとすることができます。ここで問題となるのは、安全性と覗かれる心配です。透明度が上がればあがるほど、それらの危険性が伴います。階段を設置する建物用途によって、手摺の透明度をあげることができない場合があります。
ただし、透明感をあげ安全性を確保する手段としてガラスやパンチングメタルを手摺とする方法があります。
ガラスやパンチングメタルとすることで面として機能するため子どもに対しての安全性は高まります。
手摺に塊り感をつけ段板の存在を薄くする
透明感とは真逆の発想ですが、手摺に重厚な塊り感をつけることで段板の存在が薄まり、階段全体的には軽やかに見えます。手摺に構造的な要素を持たせ、階段部分は出来る限りシンプルな構造とすることもできます。また、手摺がしっかりとした塊りとして存在することで安全性が高まり、下から覗かれる心配もありません。
階段を軽やかにするポイント
階段を軽やかにするポイントは、段板のみせ方と手摺のみせ方です。その上で、建築基準法だけを満たすのではなく、子どもの安全性や、覗かれる心配などにも配慮した美しさが本当の価値ある階段デザインなのかもしれません。
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one archi
現在の主な作業
一級建築士試験に一発合格し、組織設計事務所にて主に学校、公民館、道の駅、発電所等の幅広い用途の公共建築物の設計を行なっている。
自己紹介
芸術学部建築学科を卒業後、ハウスメーカーメーカーにて住宅の設計販売に携わる。一級建築士事務所開設を夢に、ハウスメーカーを退職し資格学校へ通うが、そこで現職場の先輩にスカウトされ組織設計事務所に所属する事になる。一級建築士の他に、インテリアプランナー、建築積算士、casbee評価員の有資格者である。2020年、実務経験と建築知識を活かして建築系のWEBライターとして始動。
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