日本の昔からある床材として、土間、板の間、畳の間があり、古くから親しまれ今もデザインや使い方を変えながらも使用され続けています。実は、この土間、板の間、畳の間には、目上と目下という身分差を示す役割があったと所説あります。土間は土で作られ、板の間は木材で作られ、畳の間は畳で作られ、土、木材、畳の順に高価になっていきます。
また、土間、板の間、畳の間の順に高さも高くなっていきます。これは、昔、土間は使用人がつかい、板の間は家族、畳の間は来客用として使われていたとあります。この身分差から始まったとされる土間、板の間、畳の間は、今や和の感じられる日本らしい床材としてデザインに組み入れらています。
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土間
日本では履物を脱いで生活する習慣があり、土足と上足を履き替える空間が必要でした。また、野菜など農作物の下準備や保存をしたり、かまどがあって炊事をしたりと土足での作業、水気にも強い床材が適していたため、土間のある程度広さがある空間が必然とされていました。現在では、農作物の下準備などもすることも少なくなり、炊事場もシステムキッチンと変わり、土間の必要性が少なくなりました。しかし、現在となっても新しく土間の空間が見直されつつあります。
この土足のままで利用できる土間の空間は、サーフィンや釣り、キャンプ、自転車、バイク、登山など、家の中であっても、水濡れや砂や泥を気にすることなく道具のお手入れをする空間としたり、外で使う趣味のものを室内で収納しておくことが出来る空間として活用されています。
板の間
板の間は昔、土間と畳の間の中間的な空間で、家族がくつろぐ場として使用されていました。今でも、住宅のメインとなるリビングは現代版の板の間であるフローリングが多く採用されています。履物を脱いで生活する場としては、板材のぬくもりは今も変わらず親しまれる材として活用されています。板の間(フローリング)の特徴は、今は様々な樹種を選択できるので、和の空間でも洋の空間であったも、さまざまなインテリアテイストにも合わすことが出来ることです。また、価格も比較的ローコストなものから超高級なものまで幅広く選択することが出来ます。
畳の間
日本では馴染みのある畳の間ですが、昨今は非常に少なくなりつつあります。畳の寸法は、日本人の平均的な肩幅から導き出されていると言われています。日本人の平均的な肩幅は1尺5寸(45.5cm)で、廊下でふたりがすれ違う幅として、肩幅の倍の3尺(91cm)が畳の短辺方向の寸法とて採用され、組み合わせやすいように、その倍の6尺(182cm)が長辺方向の寸法として採用されています。この畳の寸法は地域によって、若干の差があります。
西日本では、この基準の寸法よりやや余裕を持たせた3尺1寸5部(95.5cm)で中京間と言われています。一方、東日本では、この基準寸法の3尺(91cm)に柱を落として、その間に畳を割りつける効率的な作り方をしたため、その分畳寸法が少し小さくなり約88cmとなります。現在では、それらの考え方から開放され様々な畳寸法、デザインで和の床材の象徴として使用されています。
和が感じられる床材
現在では、カーペット、木目調塩ビシート、タイル、コルクなど様々な床材が使用されていますが、土間、板の間、畳の間は、日本では非常に歴史ある床材で今でも日本的な和を感じられる床材として使用されています。土間、板の間、畳の間は、昔から日本人に馴染みのある素材として利用されているだけなく、全て自然のもので、人の手で造られています。その地のモノを使って、その地の人の手で作られる床材は、昔から今もその地で造られる建築に根付き、その住処を暖かに包み込む特別なチカラがある感じがします。
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one archi
現在の主な作業
一級建築士試験に一発合格し、組織設計事務所にて主に学校、公民館、道の駅、発電所等の幅広い用途の公共建築物の設計を行なっている。
自己紹介
芸術学部建築学科を卒業後、ハウスメーカーメーカーにて住宅の設計販売に携わる。一級建築士事務所開設を夢に、ハウスメーカーを退職し資格学校へ通うが、そこで現職場の先輩にスカウトされ組織設計事務所に所属する事になる。一級建築士の他に、インテリアプランナー、建築積算士、casbee評価員の有資格者である。2020年、実務経験と建築知識を活かして建築系のWEBライターとして始動。
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